鏡幻屋・灯の戯言日記
ここは、灯友星の日々の小言+SSを綴った日記帳です。何かの感想やらサイトと作品の裏話やらを書いてます。拍手レスやらお礼もこっちです。 基本、更新日周辺でしか書かないと思います。
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昼間から暑いです。今日は休みを出したので、ひさしぶりに仕事がお休みです。…そのかわり、土日は休みなしですが;
仕事場でも夏休みがとれるので、今年も家族で旅行に行こう、という話になりました。一応北海道行きたいなー…と言ってるんですけど、これがまた中々決まらなくて;長崎いいなぁとか出雲もいいなぁとか、色々です。でも、北海道行きたいんですよね。一度も行ったことないんで。旅行社当たってるんですけど、難しいもんです。
やりたいことと理想が合わないのも、問題なんですけどね;
さて、夏休み中何もしないのも悪いような気がするんで、SS置いときます。
鋼の夏休み風景です。
仕事場でも夏休みがとれるので、今年も家族で旅行に行こう、という話になりました。一応北海道行きたいなー…と言ってるんですけど、これがまた中々決まらなくて;長崎いいなぁとか出雲もいいなぁとか、色々です。でも、北海道行きたいんですよね。一度も行ったことないんで。旅行社当たってるんですけど、難しいもんです。
やりたいことと理想が合わないのも、問題なんですけどね;
さて、夏休み中何もしないのも悪いような気がするんで、SS置いときます。
鋼の夏休み風景です。
★宿題共同戦線(夏5題【お題提供元:ロメア(http://romea.web.fc2.com/)】)
「たーいさっ」
「ロイ兄様っ」
「「鬼ごっこしよう(ぜ)!!」」
「………は?」
世間でいう『夏休み』とは、子供にとって学校という名の束縛から解放される楽園であり―――宿題という名の地獄でもある。
一月以上の期間がありながら、普段の生活を忘れるほどに遊び、(無計画な子供に限って)最後に普段の何倍もあるであろう大量の宿題の山という山に押し潰されそうな日々を送る羽目になるのだ。
そして今年、いわゆる宿題地獄とやらは、どうやら軍に所属するお子様たちにも降りかかってまった…らしい。
8月某日―――東方司令部、西側エリア。
「ユーリ、そっち行ったぞ!!」
「りょーかいっ。ほいっ」
りんっ、と音がして目の前にいくつか鈴がバラけて落ちたと思うと、それらは火花を散らしながら大きな石壁となり倒れてきた。
専門家であればこれは錬金術師による練成の産物だとわかるが、知らない普通の人間なら避けることも忘れて驚くだろう。というか、通常こんな石壁が上から落ちてきたら、誰だってひとたまりもない。
しかし狙われているのは、この司令部の若き大佐であるロイ・マスタング。彼もまた、錬金術師であった。
すぐさま右手につけた発火布の手袋によって炎を生み出すと、あっという間にすべての石壁を爆発で砕いた。
「ちぇっ、やっぱりダメかぁ」
爆発で目を晦ました隙に逃げた標的に、追いかけていた片割れであるユーリが残念な声を上げた。
その横にもう一人の狩人であるエドワードが、金色の尻尾をふわりとさせながら上空から降り立った。
「あと10分切ったよ、エディ」「心配すんなって。ああなるのも計画の内だろ。お遊びはここまでだ。それに、逃げた方向は例の場所だ」
「そっか。じゃあ私たちも急がなきゃ、ね」
お互い練金術でこの辺り一帯を元通りにしたのを見届け、2人は再び標的を追いかけ始めた。
一方、追いかけられている本人はというと。
「…朝から何だって言うんだ。鋼のだけならともかく、ユーリ君までっ」
全く訳がわからず、逃げ回っていた。
何しろ彼らの襲撃は、突然の出来事だった。
出勤したら中央司令部の友人たちが来ていて、しばらく談笑したところまではいつもと変わらなかった。
その後連絡事項を伝えた副官が部屋を出て、そして2人が来たと思ったら、襲撃が始まったのだ。それが冒頭の会話である。
事情は一切わからない。だが、彼らは本気で、逃げなければこちらがやられるくらいの勢いだったため、仕方なくこうして逃げ回っていた。
しかし時計を見れば、正午まであと5分。かれこれ一時間近く走り続けていたため、体に疲れが見え始めていた。
「大佐~、こっちよ早く!」
走っていたロイに建物の影から手招きする者があった。
「ライカ君、た、助かったよ」
「どういたしまして。色男は大変ね。今度は何やったワケ?」
「何もしてない!エディに手を出したわけでもないし、浮気は……あ~、あんまりしてないし」
可能性を真剣に考えるロイだったが、それゆえにライカの動きには気付かなかった。
彼女の手が、彼の片袖にゆっくりと伸びる。
「そういうのが悪いんだって、何で気付かないのかし、らっ!」
袖を掴まれたと同時に、体が重力とは逆方向に浮く感覚がロイを襲う。
「…っうわ!!」
投げ飛ばされたと気付いた時には、遅かった。受け身は辛うじて取ったが、背中から叩きつけられる衝撃が襲い、一瞬息が詰まる。
その無防備な瞬間を、彼女は見逃さなかった。
「アルくん!」
「はいは~い」
パシン、と鎧を擦る音がして、ロイの両足に地面と繋がった枷が嵌められた。
枷を外そうにも、錬成陣を書く筆記用具がない上、足と密着しているため発火布による爆破もできない。
「サンキュー。アル、ライカ」「」 「な、何故私ばっかり狙われなければならないんだ~!!」
渾身の思いで叫んだ質問に、きょとん、として2人は互いの顔を見合わせた。
「なんでって」
「なぁ」
「「大総統(キングのおじさま)からの宿題だから」」
ユニゾンで返ってきた答えに、ロイは唖然とした。
「課題は、大佐の階級章の星1個、錬金術使用ありで取ってこいだとよ」
「私もそうだよ。他には夏休みのドリルとか自由研究とかあったなぁ」
ちなみに宿題は10日程前にエドワード・ユーリ両名に勅命として出されたものであり、それらは全て前日までの一週間で2人(+ハボックたち4人)で力を合わせてやり遂げたらしい。
「ちなみに、ライちゃんとアル君には宿題出されてないんだけど」
「コレ終わんないと、旅出れねぇし?」
「だからって、ライカ君とアルフォンス君はおかしいだろ?!」
「いいじゃない。別に助っ人禁止って言われてないもの」
「すみません、大佐。というわけで死んでください」
アルがさらりと言ってのけた言葉に、ロイはますます顔を青くする。
「理不尽にも程があるだろうが!!」
「文句言いたいのはこっちよ!何が悲しくて鬱陶しいだけの湿気ったマッチを追いかけなきゃいけないのよ!!」
「湿気った、は言い過ぎだよ、ライカちゃん。せめて、雨の日限定くらい付けてあげなきゃ」
バシンと音がして、ロイの周りに個性的な柄の壁がそびえ立つ。
「は、鋼の!こんなことをしたって君たちには何も得することなどないだろう。な?」
「日頃の恨みとストレスを晴らす機会にはなる」
「ある人から、少しお仕置きしてやってほしいって頼まれてることだしね」
「ヒューズ!ホークアイ中尉!!」
「可愛い息子と娘の宿題くらい、付き合ってやれよ。親友」
「部下に付き合うのも仕事です。大佐」
「座標捕捉、空間固定完了。 門解錠っ」
「いっちょ、水も滴るいい男になって来いや」
「ちょ、ま、待った…っ」
「「必殺、夏季限定・局地的突発滝落とし!!」」
ロイの頭上付近の空間から、その日盛大な夕立ちが起こった。
「ンで、結局何だアレ?」
「大将と姫さんの最後の宿題なんだと」
「あの大量のドリルの山で終わりじゃなかったんですね;」
「しかしまた、何故宿題など?」
「世の中は夏休みだから、子供には宿題がつきものだろう、ということらしいわ」
「その割には出された日が世間より大分遅かったがな」
「じゃあ、ヒューズ中佐がいらっしゃったのも、このため?」
「そ。さしずめ俺は、あいつらの先生役ってとこだ。特にこの宿題は、あいつらの査定も兼ねてるからな」
エドはちょっと早いけど、と付け足したヒューズは豪快に笑った。査定時期をよく忘れる2人に対する、大総統なりの心配だったらしい。
「しかし、中尉もよく許可しましたね」
「あの子たち、ちゃんと壊した所は直すって言ってたし…何より、ちょっとくらいお灸据えてもいいんじゃないかしら」
「…書類溜まってたの、やっぱり怒ってたンすね」
「エドワード君がいるのに、サボって何度も色々な女性とお茶したことも、よ」
にっこりと笑う女帝に、この人には勝てないな、と改めて認識した軍人たちだった。
夏休みSSその1、でした。
「たーいさっ」
「ロイ兄様っ」
「「鬼ごっこしよう(ぜ)!!」」
「………は?」
世間でいう『夏休み』とは、子供にとって学校という名の束縛から解放される楽園であり―――宿題という名の地獄でもある。
一月以上の期間がありながら、普段の生活を忘れるほどに遊び、(無計画な子供に限って)最後に普段の何倍もあるであろう大量の宿題の山という山に押し潰されそうな日々を送る羽目になるのだ。
そして今年、いわゆる宿題地獄とやらは、どうやら軍に所属するお子様たちにも降りかかってまった…らしい。
8月某日―――東方司令部、西側エリア。
「ユーリ、そっち行ったぞ!!」
「りょーかいっ。ほいっ」
りんっ、と音がして目の前にいくつか鈴がバラけて落ちたと思うと、それらは火花を散らしながら大きな石壁となり倒れてきた。
専門家であればこれは錬金術師による練成の産物だとわかるが、知らない普通の人間なら避けることも忘れて驚くだろう。というか、通常こんな石壁が上から落ちてきたら、誰だってひとたまりもない。
しかし狙われているのは、この司令部の若き大佐であるロイ・マスタング。彼もまた、錬金術師であった。
すぐさま右手につけた発火布の手袋によって炎を生み出すと、あっという間にすべての石壁を爆発で砕いた。
「ちぇっ、やっぱりダメかぁ」
爆発で目を晦ました隙に逃げた標的に、追いかけていた片割れであるユーリが残念な声を上げた。
その横にもう一人の狩人であるエドワードが、金色の尻尾をふわりとさせながら上空から降り立った。
「あと10分切ったよ、エディ」「心配すんなって。ああなるのも計画の内だろ。お遊びはここまでだ。それに、逃げた方向は例の場所だ」
「そっか。じゃあ私たちも急がなきゃ、ね」
お互い練金術でこの辺り一帯を元通りにしたのを見届け、2人は再び標的を追いかけ始めた。
一方、追いかけられている本人はというと。
「…朝から何だって言うんだ。鋼のだけならともかく、ユーリ君までっ」
全く訳がわからず、逃げ回っていた。
何しろ彼らの襲撃は、突然の出来事だった。
出勤したら中央司令部の友人たちが来ていて、しばらく談笑したところまではいつもと変わらなかった。
その後連絡事項を伝えた副官が部屋を出て、そして2人が来たと思ったら、襲撃が始まったのだ。それが冒頭の会話である。
事情は一切わからない。だが、彼らは本気で、逃げなければこちらがやられるくらいの勢いだったため、仕方なくこうして逃げ回っていた。
しかし時計を見れば、正午まであと5分。かれこれ一時間近く走り続けていたため、体に疲れが見え始めていた。
「大佐~、こっちよ早く!」
走っていたロイに建物の影から手招きする者があった。
「ライカ君、た、助かったよ」
「どういたしまして。色男は大変ね。今度は何やったワケ?」
「何もしてない!エディに手を出したわけでもないし、浮気は……あ~、あんまりしてないし」
可能性を真剣に考えるロイだったが、それゆえにライカの動きには気付かなかった。
彼女の手が、彼の片袖にゆっくりと伸びる。
「そういうのが悪いんだって、何で気付かないのかし、らっ!」
袖を掴まれたと同時に、体が重力とは逆方向に浮く感覚がロイを襲う。
「…っうわ!!」
投げ飛ばされたと気付いた時には、遅かった。受け身は辛うじて取ったが、背中から叩きつけられる衝撃が襲い、一瞬息が詰まる。
その無防備な瞬間を、彼女は見逃さなかった。
「アルくん!」
「はいは~い」
パシン、と鎧を擦る音がして、ロイの両足に地面と繋がった枷が嵌められた。
枷を外そうにも、錬成陣を書く筆記用具がない上、足と密着しているため発火布による爆破もできない。
「サンキュー。アル、ライカ」「」 「な、何故私ばっかり狙われなければならないんだ~!!」
渾身の思いで叫んだ質問に、きょとん、として2人は互いの顔を見合わせた。
「なんでって」
「なぁ」
「「大総統(キングのおじさま)からの宿題だから」」
ユニゾンで返ってきた答えに、ロイは唖然とした。
「課題は、大佐の階級章の星1個、錬金術使用ありで取ってこいだとよ」
「私もそうだよ。他には夏休みのドリルとか自由研究とかあったなぁ」
ちなみに宿題は10日程前にエドワード・ユーリ両名に勅命として出されたものであり、それらは全て前日までの一週間で2人(+ハボックたち4人)で力を合わせてやり遂げたらしい。
「ちなみに、ライちゃんとアル君には宿題出されてないんだけど」
「コレ終わんないと、旅出れねぇし?」
「だからって、ライカ君とアルフォンス君はおかしいだろ?!」
「いいじゃない。別に助っ人禁止って言われてないもの」
「すみません、大佐。というわけで死んでください」
アルがさらりと言ってのけた言葉に、ロイはますます顔を青くする。
「理不尽にも程があるだろうが!!」
「文句言いたいのはこっちよ!何が悲しくて鬱陶しいだけの湿気ったマッチを追いかけなきゃいけないのよ!!」
「湿気った、は言い過ぎだよ、ライカちゃん。せめて、雨の日限定くらい付けてあげなきゃ」
バシンと音がして、ロイの周りに個性的な柄の壁がそびえ立つ。
「は、鋼の!こんなことをしたって君たちには何も得することなどないだろう。な?」
「日頃の恨みとストレスを晴らす機会にはなる」
「ある人から、少しお仕置きしてやってほしいって頼まれてることだしね」
「ヒューズ!ホークアイ中尉!!」
「可愛い息子と娘の宿題くらい、付き合ってやれよ。親友」
「部下に付き合うのも仕事です。大佐」
「座標捕捉、空間固定完了。
「いっちょ、水も滴るいい男になって来いや」
「ちょ、ま、待った…っ」
「「必殺、夏季限定・局地的突発滝落とし!!」」
ロイの頭上付近の空間から、その日盛大な夕立ちが起こった。
「ンで、結局何だアレ?」
「大将と姫さんの最後の宿題なんだと」
「あの大量のドリルの山で終わりじゃなかったんですね;」
「しかしまた、何故宿題など?」
「世の中は夏休みだから、子供には宿題がつきものだろう、ということらしいわ」
「その割には出された日が世間より大分遅かったがな」
「じゃあ、ヒューズ中佐がいらっしゃったのも、このため?」
「そ。さしずめ俺は、あいつらの先生役ってとこだ。特にこの宿題は、あいつらの査定も兼ねてるからな」
エドはちょっと早いけど、と付け足したヒューズは豪快に笑った。査定時期をよく忘れる2人に対する、大総統なりの心配だったらしい。
「しかし、中尉もよく許可しましたね」
「あの子たち、ちゃんと壊した所は直すって言ってたし…何より、ちょっとくらいお灸据えてもいいんじゃないかしら」
「…書類溜まってたの、やっぱり怒ってたンすね」
「エドワード君がいるのに、サボって何度も色々な女性とお茶したことも、よ」
にっこりと笑う女帝に、この人には勝てないな、と改めて認識した軍人たちだった。
夏休みSSその1、でした。
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