鏡幻屋・灯の戯言日記
ここは、灯友星の日々の小言+SSを綴った日記帳です。何かの感想やらサイトと作品の裏話やらを書いてます。拍手レスやらお礼もこっちです。 基本、更新日周辺でしか書かないと思います。
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というわけで(どういうわけだか;)、氷月祭楽しんでいただけているでしょうか?
えぇっと、楽しんでもらえてる、と仮定しまして;
あれの日常編1・高等部バージョンをお送りしたいと思います。
ちなみに前後編なので、後編は後日です。
☆ハロウィン・パニック(AF学園高等部、日常編)
竜ヶ峰帝人は、朝登校するなり、絶句してしまった。
「…何コレ。カボチャ大魔王の逆襲?」
「さぁ。多分、ミレイ会長のお遊びだろ?」
呆然と佇む友人の横で、二海堂昶は、一瞬驚いたものの、冷静に返した。
常ならこの場にもう一人、クラスメイトであり同寮生であるルルーシュがいるのだが、妹と一緒に先に登校してしまったので、今朝は2人だけの登校となった。
なのに、学園に来てみれば、玄関先に魔法使いの格好をしたカボチャ人形。さらに、敷地のいたるところにカボチャランタンやお化け、コウモリの置物などが飾られている。
彼女ら以外も驚いてる人が多いのか、いつもとは違うどよめきがあちこちから聞こえていた。
「おっはよ~っ、2人とも!トリックオアトリート!!」
玄関をくぐりぬけると、明るい声が彼らを迎えた。
「ミレイ会長…おはようございます」
「…何て格好ですか、それ」
帝人と昶が、彼女の格好を指して顔を赤らめた。
何しろ、彼女が来ているのは制服ではなく、大きな三角帽子に黒のマントといった魔女の衣装。だが普通の魔女とは違い、マイクロミニスカートに胸を強調するようなトップスといった、随分と露出度の高い衣装だった。
そつなく着こなしているのは、さすがスタイルを自慢する彼女ならではというところだろう。周囲の色々な種類の視線が、通る度に彼女に向けられている。
「フフっ。似合うでしょう?」
「似合いますけど、ちょっと露出度高くないです?」
「そう?あ、昶ちゃんと帝人ちゃんの分もあるわよ。後で着てね♪」
「「絶対嫌です」」
綺麗に揃った拒否に、ミレイは面白いと笑った。
そして満面の笑みで、2人の前に唐突に両手を差し出す。それを見て彼女たちは首を傾げたが、はたと出会い頭に彼女の言った言葉を思い出した。
「って言われても…」
「オレはパスで」
「あら、待った、はなしよ。よーしっ、持ってない悪い子たちには、魔女からのイタズラをプレゼントしましょうっ」
顔を引き攣らせた2人に、ミレイが襲いかかる。
そして、ポケットからあるものを取り出して、彼女たちの頭に載せた。
「やぁんっ、可愛い~じゃない!!」
ミレイのはしゃぐ声に、2人は互いの顔を見合わせる。
彼女らの頭の上には、猫耳がちょこん、と乗っかっていた。
声なき叫びが、彼女らの口から飛び出る。
「今日一日、それ取るの禁止、ね。それから、後で后ちゃんと一緒に生徒会室来ること♪これ、会長命令よ!」
楽しそうにそう告げると、ミレイは、じゃあねっ、と軽やかに手を振ってどこかへと走り去ってしまった。
そんな彼女と入れ違いに次に来たのは、同級生の鈴野綾だった。
「ちょっと!会長見なかった、昶……って、竜ヶ峰さんも、何ソレ。アンタの趣味?」
「オレにこんな趣味はない」
「あのぉ、僕にもこんな趣味ないけど」
「そ、そうよね…ということは、会長来てたのね!」
「うん。鈴野さんと入れ違いだったけど」
「会長に用事だったのか?」
切羽詰まった様子の綾に、昶が尋ねると、学園に提出する仮装許可の申請書に会長の印鑑が抜けていたため、だということだった。
現在、ルルーシュとナナリーを中継地点として生徒会室に残し、役員全員で捜索にあたっているらしい。
「ったく。次どこへ行ったのかしら」
「后のとこには行ったか?」
「えぇ、さっき。頭にリボン結ばれてたわよ。アンタたちの前にやられたみたいね」
「じゃあ、中等部の双子のとこじゃない?それか、同じクラスの狩沢先輩のとことか」
「なるほど!自分の教室に戻ってるかもしれないわねっ。中等部ならシエル君がいるし。うん、ありがと!」
そう言い残して、綾は来た時と同じように慌ただしく走り去って行った。
呆然と彼女を見送った2人だが、顔を見合わせ深くため息をつくと、先程のミレイの言葉に従うため、既に被害にあったというもう1人の友人の身柄を確保しに教室へ向かった。
「なんだ、3人とも。知らなかったのか」
生徒会室で優雅に妹とお茶をしていた帝国の姫君は、ミレイの被害に遭った友人たちの話を聞くなり、そう言った。
ちなみに、生徒会は全員仮装が義務づけられているのか、ルルーシュとナナリーも悪魔侯爵と天使を模した対の衣装を着ている。
「ウチの学園は、毎年ハロウィンの日だけになると、学園内だけだが、授業をなくしてハロウィン祭が開かれるんだ」
「ひっでー!!それならそうと早く言ってくれよ!せっかく、授業の用意してきたのに」
「聞かれなかったからな。まぁ、それだけ真面目に勉学に励んでいる証だ、と安倍先生は思ってくれてるかもしれないぞ?」
「嘘だ。っていうか、教師陣はこのこと知ってるんだよな!あー、それで今朝晴明のやつ、にやにや笑ってたのか!!」
やられた、と髪を掻き回して悔しがる后に、ルルーシュは苦笑した。こんな顔が見たくて言わなかったんだろうな、とこの場にいない晴明の心中を図ってみるが、合っているかはわからない。
その隣では、彼を余所に昶と帝人の前ではナナリーが切り分けたパンプキンタルトが置かれていた。
「このタルト、美味いな」
「ほんと、おいしー。ルルの手作り?」
「えぇ。さっき焼きあがったばかりなんですって。はい、后さんも」
「…サンキュー。ナナリーちゃん」
后の前に置かれたタルトの香ばしい香りに、心が落ち着く。口に運べば、滑らかな舌触りに程良い甘みがとける。
「お前って、本当プロ根性すげーよなぁ」
「褒めても何も出ないぞ」
飾りのクッキーを齧りながら感慨深く言う后や彼の意見に頷く昶と帝人に、ルルーシュは頬を緩める。口では何だかんだ言いつつも、素直に褒められると嬉しいものだ。
そうしていると、今度はシナモンの香りが彼らの元に届いた。間もなくして、1人の執事がお茶のセットとともにやって来た。
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