鏡幻屋・灯の戯言日記
ここは、灯友星の日々の小言+SSを綴った日記帳です。何かの感想やらサイトと作品の裏話やらを書いてます。拍手レスやらお礼もこっちです。 基本、更新日周辺でしか書かないと思います。
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ハロウィンも飾り付けする前に、終わっちゃいましたし;
でも、年末直前なのに、今から見たい映画は3つもあるんですよ!
ハリポタと相棒と、何といってもブリーチ(≧▽≦)☆
いっちーの完全虚化が劇場で拝める上に、映画館で特典貰えるとなったら、それは見に行くしかないでしょ♪
地獄編、茜嬢を誘って見に行くべきかどうか、迷ってますけど(笑)
それはさておき。
ハロウィンも済んだし、いい加減ハロウィンSS後編をアップしなければ、ということで、今頃しときます;
予定してたより騒動が半減した上に、後日談みたいな感じのぐだぐだになってますが、それでもよければどうぞ。
☆天華パラレルSS(ハロウィン編・後編)
「ご歓談中失礼いたします。本日のお茶は、ルルーシュ様のパイに合わせて、シナモンティーをご用意いたしました」
各々の前に、香り高く注がれた紅茶が置かれていく。シナモンの香りが効いたあっさりとしたお茶は、甘いパンプキンパイに良く合った。
「悪いな、セバスチャン。本当ならシエルに付いて行ってもらいたいんだが」
「どうぞお気になさらず、ルルーシュ様。坊ちゃんにはカレン様がついて下さってますし、やりたいこともありましたので」
そう言ってテーブルに次々と置かれていったのは、カボチャとチョコレートを使った、様々なお菓子だった。
綺麗に出来上がったそれらを見て、ルルーシュは目を丸くした。
「さすがだな。この短時間で、もう作ったのか」
「えぇ。早くしないと、坊ちゃんがお帰りになってしまいますから」
「セバスチャンのお菓子も、お兄様に負けず美味しいです」
「ありがとうございます、ナナリー様」
ルルーシュのために生クリームとカボチャ型のチョコが乗ったパンプキンプリンをよそいながら、セバスチャンは満足気な笑顔で礼を言った。
そこで横に座る后が、唸っていることに気がついた。
「后様、どうかされました?」
「いや、こんなにいっぱいあったら、昼飯食えるかなって」
「あら。后さんは全部食べる気でいらっしゃいますの?」
「え、だってもったいないし」
「后、心配しなくてもここにあるのは、生徒会全員の、だよ」
「ってか、こんなにいっぱい、5人じゃ無理だろ」
ビターチョコクッキーを齧りながら呆れたように言う昶に、后は思わず脱力してしまった。
「けど、これじゃあ今日はずっとここにいるしかないよね」
「あ?何で…って、それ、か」
帝人の頭につけられた猫耳を指して、后は苦笑いした。自分も同じような目にあってるため、他人事ではない。
「可愛いじゃないか。3人とも」
「悪魔の格好が似合うお前に言われたくないぞ」
「でも、ナナリーちゃんとお揃いで可愛いよね。衣装も手作りとか?」
「えぇ。お兄様お手製ですっ」
嬉しそうに微笑むナナリーは、ちょこんと愛らしい仕草で白いスカートの裾を少しだけ摘まみあげて、その場でくるりと回ってみせた。
白い天使の衣装がふんわりと広がる様は、さすが中等部一の人気者だけあって、本当によく似合っている。ルルーシュも嬉しいのか、始終機嫌が良さそうだ。
そんな様を見つつ、昶は紅茶に口をつけながら、にやりと笑った。
「ルルーシュも、割と似合ってるんじゃないか」
「これか?ナナリーと対にするなら、悪魔だろうと思っただけだったんだが」
下に敷いているマントを摘まみあげて、これといった感慨もなくルルーシュは言い除けた。
后と帝人は似合うと称賛したが、昶は、そうじゃなくて、と付け足した。
「誰かさん筆頭にファンが喜びそうだな、って思っただけだ」
彼女の感想に、この場にいる当人を除く全員が、同意を示した。
ルルーシュの衣装は、妹とは真逆の黒い衣装で、貴族風の装飾が施されているものの細い体のラインが強調されていて、すっきりとした印象がルルーシュの凛とした雰囲気に良く合っている。
しかし、これは言い換えれば、ルルーシュを狙うストーカー(妹及び騎士達認定)をはじめとするルルマニ(ルルーシュマニアと呼ばれるファンたちのこと)にとっても、大変魅力的なものであるわけで。
ここまで来て、はた、と3人はここに呼ばれた意味に思い当った。
「ということは、今日は一日ここで待機だな」
「こっちの方が楽で良いけどね」
「会長命令、ってこういう意味かよ」
(((まぁ、ここでいてる方が面倒事ないだろうし)))
そして、3人は一斉にナナリーを見た。
彼女は彼らの内心が揃ったことを見透かしたように、にこりと微笑んだ。
「そうですね。みなさん、ぜひ、ごゆっくりなさってください」
彼女の浮かべる笑顔は、どこか神々しい。しかし顔には、しっかり兄の話相手となって部屋を出ていかないよう退屈させるな、と書いてある。
ミレイを通じてナナリーが呼んだ、という予想が確信に変わった3人は、やはり、と顔を引き攣らせた。
一方、唯一この裏が読めないルルーシュは、きょとんと首を傾げた。
「一体、どういうことなんだろう?セバスチャン」
「皆様、ルルーシュ様と本日はこちらでお過ごしになりたい、という話ですよ」
「それは良いが…だが」
「たまには皆様一緒に過ごされるのも良いかと。もうすぐ坊ちゃんもお帰りになることですし」
いつもと変わらぬ人の食えない笑みで告げる執事に、納得いかないのか、ルルーシュは憮然とした顔をする。
そこで、ナナリーは甘えるようにルルーシュに抱きついた。
「お兄様、セバスチャンの言う通りです。今日はお兄様や皆さんとずっとお話したい気分だったんです」
「そうか。ナナリーがそう言うなら、今日一日ここでいようか」
「はい!!」
嬉しそうな妹に、ルルーシュも頬を緩める。さすがはシスコンで有名なだけはある。
だが、これで本日の予定は決まったも同然だった。
「でもさ、この後何事もなく放課後までいられると思うか?」
「紅月さんたちがいるから、大丈夫じゃない?」
「……オレはともかく、后と帝人は無理じゃね?」
「そうですねぇ」
「「え?」」
素知らぬ顔で紅茶をお代わりする昶と、給仕するセバスチャンの不吉な言葉に、后と帝人は思わず絶句した。
その数時間後。
シエルやミレイ、カレンが帰ってきて、后と帝人のために開催された勉強会の最中に、情報屋がスザクと賢吾、正臣をけしかけて乱入し、更に后の弟や安倍先生、情報屋に対抗するため帝人が呼んだ静雄と、それを見かけた他の知り合い達まで生徒会室に入ってきたため、結局事態の収拾をつけるために昶がホークアイ先生とエルリック双子を呼ぶまで、その騒ぎは続いたそうである。
余談ではあるが、後日、その日の生徒会室の様子を撮影された写真が何故か学園年中に流布し、学生会が回収に乗り出す事態が起こったとか。
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