鏡幻屋・灯の戯言日記
ここは、灯友星の日々の小言+SSを綴った日記帳です。何かの感想やらサイトと作品の裏話やらを書いてます。拍手レスやらお礼もこっちです。 基本、更新日周辺でしか書かないと思います。
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ふと、突然湧いて出た…っていうよりは、前に考えてたネタというのが正しいかもです。面白そうだったので、ちょいと書いてみました。
ナルトで、IF~4代目夫婦生存&ナルトが大変優秀な忍だったら~です。えぇ、全くのパラレルです。
☆突発SS(ナルト―IF)
火の国―木の葉の里。
かつて、その里を襲いし九尾の妖狐あり。
7日7晩の戦いの末、里長がそれを封印した。
里長は英雄となり、里には平和が戻った。
―――しかして、その真相とは。
「火影の息子だからって、いい気になるなよ!」
小さな子供の体に、膝がめり込む。子供の体は軽く、砂の上を滑るように吹っ飛んだ。金色の髪が土ぼこりで曇る。
対するのは子供より少々大きい体つきの子供たち。歳はそれほど変わらないが、蹴られた子供の方が顔立ちも体も小さく、歳が随分下に見えた。もっとも、事実彼らの歳は3つほど離れているのだから当然ではあるのだが。
ここはアカデミー校舎の裏側。3対1で向き合っているところからみても、どう考えてもイジメというものだろう。
蹴られた子供は、英雄と呼ばれる4代目火影・ミナトの息子だった。
4代目といえば、火の国では名のある忍の1人。妖狐を封印した、里の英雄であり、この里どころか国中で知らないものはないと言ってもいいくらいの有名人だ。
本来ならアカデミーは入学の年齢制限があるのだが、4代目の息子である彼はその境遇ゆえか、その制限の3つ下から入ることを許されたのだ。その特別扱いが一部の子供にはどうやら気に障るらしく、時折こういったことが起こるのだ。
「おい、何とか言えよ」
何度も蹴る、殴るを繰り返しているのに、痛いの一言すら喋らない。痺れを切らした3人の内の1人が、小さな子供の胸倉を掴んで高々と持ち上げた。
その体は、軽かった。
そう、まさに《紙》――ごく日常にペーパーテストで使われる、あのプリント用紙のように。
少年達は、驚いた。あきらかにこれはおかしい事態だ。
「あれ?どこにいったと思ったら、教室にあるはずの人形がこんなところにある」
少年達の後方から、透き通るようなソプラノの声が響いた。
驚いて振り向いた先には、同じ年頃の子供と、彼らの1人が持ち上げている金色の子供とまったく『同じ子供』。
唯一違うのは、子供が纏う衣装が、黒の外套に狐の面と、暗部の衣装であったことくらいだろう。
「嫌だなぁ。イジメなんて。しかも低レベルすぎ」
「だからさっさとやめちまえばいいんだよ。こんなとこ」
「けどさ。コウガクのために、一回くらいはこーいう学校に行って友達作って~、みたいな青春っぽい体験しといてほしいっていう要望だったんだもん。母様からの」
「あー…クシナのおばさまにお前弱いもんなぁ」
「親父が言うだけだったら、こんなくだらないこと、即効で切って捨ててる」
隣の子供と話をしながら、金色の子供はすっと指を少年達の方へと向けた。すると、彼らが持ち上げていた子供は、消えるように一枚の札へと変わり、地面に着く前に灰すらも残さず燃え尽きた。
「ん~、失敗した。衝撃を加えると、喋る機能が止まるとは思ってなかったなぁ」
「どっかで札の文字、間違ったんじゃねぇの?実験にしてはよく出来たと思うがな」
明日の天気を語るかのように、彼らは話す。
少年達には何が何だかわからない。見たこともない出来事に、ただ呆然とするだけ。
それもそのはず。金色の子供が使った術は、アカデミーで教える分身の術よりも高度なもので、上忍の中でも使える者は限られているのだ。しかも、彼らがオリジナルで組み立てたというのだから、実に末恐ろしい子供達である。
「さて、と。人形とはいえ、イジメられたやつにはおかえししなきゃな」
ふいに、にっこりと笑って金色の子供が少年達の方に顔を向けた。鮮やかな笑顔。しかし、アイスブルーの瞳は、笑顔の欠片もなく、氷のように冷たい。
「目には目を、歯には歯を。それ相応なら、立てなくなるまで殴り倒すか、足の一本でも折っとくか」
―――それとも、実験中の秘薬の人体実験でもするか。
隣の子供が、楽しげに言い放った。
その瞬間、子供2人が悪魔に見えた少年達は、叫び声をあげて一目散に逃げていった。
彼らの後姿が見えなくなると、子供達はけらけらと声を立てて笑った。
「あ~、おかしいっ。お前らと違って、そんな弱いものイジメするわけないのにね!」
「ククっ、本当だな。めんどくせーし。第一、アカデミー生相手なら、手加減してもお釣りがくるぜ。俺達を誰だと思ってるんだか」
「知るわけないだろ。オレらを知ってるのなんて、知り合い以外じゃ上忍くらいじゃん」
彼らの暗部名は『天(ソラ)』と『黄泉(ヨミ)』。
知る人ぞ知る、暗部の中でも一番の実力コンビである。
「ほんと、さっさとやめちまえばいいのに。こんなとこ」
「めんどーだけど、仕方ないって。子供は子供らしく、だしね」
「なんだそりゃ」
「それに、オレ。お前がここに入ってくるの、待ってるんだからな」
早く入って一緒に遊ぼう、と無邪気に笑う子供。相棒である子供は、もう一度同じ言葉を、今度は嬉しそうに呟くと、2人揃ってアカデミーの、火影の執務室へと風のように走り出した。
後の話だが、実はこの現場を4代目が遠目の術で見ていて、苛めていた少年達とその親に口に出すのも恐ろしい報復を彼と奥方にされたとか。その親子共々耐えかねて里を出て行ったとか。実はその親子はまだ里に来たばかりで、4代目夫婦の親馬鹿さがどれ程のものか知らなかったとか。
まぁ、あくまで噂ではあったが。
…ってな感じでお送りしました。どっちかっていうとシカナルベースです。実はこの話、まだまだ披露しきれてない設定がいくつか残ってるんで、また機会があったら書いてみたいなぁと思います。
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